2 女教皇

背後のヴェールは隠された知識を象徴しています。生命の樹では最上部のケテルと中心のティファレトの両セフィラーを結ぶ小径に対応し、ダートとよばれる知識を表す隠れたセフィロトにも関連しています。
女性原理である受動性、処女性を表わし、霊感や直感、知識などを受け取る能力となります。しばし潔癖さゆえのかたくなさにつながります。占いとして物事の成り行きを見る場合、具体的、物質的な事柄よりも霊的、精神的な事柄に大きな意味を示します。また学習に関する事によく出てくるカードです。

13 死神

不気味な骸骨が鎌を持って人間も含めあらゆるものを刈り取っていきます。鎌は三日月を象り、時とともに移り変わるこの世の無常を表わします。バラバラになった死体の顔や手は地面から養分を吸い上げるかのように生き生きとしているようにも見えます。これは死が一つの形の終末ではあっても、宿るエネルギーは保存、変換され、再生の機会を得た事を象徴します。これを植物の種や苗、地平線にかすかにのぞく太陽で示すカードもあります。占い上でこのカードが出た場合も中止や別れ、苦痛や失望などを経験しますが、霊的な意味では脱皮、成長のチャンスです。死神のカードが逆位置で出るとしばしあきらめていた事柄が逆転する暗示となります。

0 愚者

旅人が悠然とした表情で描かれています。彼にはこの世のものは一切見えていない、というより既に関心外なのです。足にかみつく犬の事さえ気にとめようとしません。何事にもとらわれず何事もおそれないという自由な魂。軽々と背負っている風呂敷を広げ道具さえ並べればいつでも世界を構築できる事を確信したのでしょう。一切は無に帰し無から生まれる。有るように見えて実体はない。波立つ感情さえももはや幻想の産物だと知った彼は神の正体を己の中に見出し、安心しきって前進しています。彼の精神は無垢の赤ん坊でもあり、一切の執着を断ち切って彼岸に旅立つ解脱者でもあります。占い上でこのカードが出ると約束がキャンセルになるなど物事が自然消滅する事がありますが、精神的苦痛がないという特徴があるようです。放棄や逃避、飛躍した発想、冒険心なども表わし、俗世間的に見れば無責任、いい加減、非現実的、荒唐無稽などの愚かさにも通じるでしょう。